幹工務店では現在、規格住宅「ブランチボックス」の新モデルハウスを建築中!
7月のOPENに向けて建築工事も着々と進んでいます。
先頃、天井・壁・床の断熱工事が終了し、気密測定を実施しました。
幹工務店では、全棟において気密測定を実施し、住まいの性能の高さを数値で実証しています。
そこで今回は、気密測定についてご説明します。
気密性能とは
最近、高気密・高断熱という言葉がよく聞かれるようになりました。高気密とは、文字通り気密性能が高いことを示しますが、そもそも気密性とは一体何なのでしょうか。
気密性能とは、建物の隙間から空気が漏れにくい性能のことを指します。住宅の気密性能が低いと、外気が室内に流入したり、室内の空気が外に漏れ出たりすることで、室内の温度や湿度が不安定になります。その結果、冷暖房効率が低下し、エネルギー消費量が増加するだけでなく、結露やカビの発生リスクも高まります。そのため、どんなに建物の断熱性能を高めても、気密性能が低ければその効果を得られないことになります。
【気密性能を示す数値「C値」について知っておこう!】
気密性能は、隙間面積(C値)という指標で表されます。
C値とは、「C値=住宅全体の隙間の合計面積÷延べ床面積」の数値で、単位は㎠/㎡です。C値が低い家は、隙間が少ない高気密住宅。C値が大きい家は、隙間が多い低気密住宅ということになります。
気密性能を示す数値が「C値」であるのに対し、断熱性能を示す数値は「UA 値」といいますが、C値は机上の計算で算出されるUA値とは違い、実測値です。つまり、一棟一棟、専用の機械を使って「気密測定」を実施してこそ、初めてその住宅のC値を出すことができるのです。
【高気密を売りにしている住宅会社のC値は1.0㎠/㎡以下】
静岡県のC値の基準値は5.0㎠/㎡ですが、高気密高断熱の家づくりを行っている住宅会社の場合、C値は1.0㎠/㎡以下であることが1つの基準といわれています。
ちなみに、幹工務店の「ブランチボックス」は、内断熱+外断熱のダブル断熱によって高気密(C値0.6)、高断熱(UA値0.46)を標準仕様とし、HEAT20・G2クラスに相当する住宅性能を担保しています。
なぜ気密測定が必要か
気密測定は、住宅の気密性能を客観的に評価するために必要不可欠です。なぜなら、設計段階で気密性能を高めるための工夫を施しても、施工の質によっては期待通りの性能が発揮できない場合があるからです。つまり、気密性能は大工職人の腕によって差が生じます。丁寧で緻密な施工を行う大工さんの建てる家ほど、気密性能が高くなります。
このように、気密性能はどんなに設計・施工の仕様や素材を統一しても、その家を建てる大工職人が異なると一棟一棟気密性能が微妙に異なります。職人の腕を数値で表すのは難しいですが、建物の気密測定を行うことで、実際の気密性能を確認し、必要に応じて改善措置を講じることができます。また、住宅の売買や賃貸の際にも、気密性能の評価が重要な判断材料となります。
気密測定の方法
気密測定は、専門の業者さんに依頼して、以下のように専用の機械を用いて計測します。
画像:気密測定の動画
測定のタイミングは、天井・床・壁の断熱工事が終了後、石膏ボードやクロスを張る前に行います。
まず、窓やドアなどの開口部をすべて施錠し、必要な部分に目張りをした上で、気密測定の送風機で屋内の空気を屋外に排出します。
そのときの屋内外の圧力差や風量を測ることで、建物の隙間の大きさやC値を割り出すことができます。計測時間は5分程度です。
住宅の気密性能を高めるには
住宅の気密性能を高めるには、もちろん腕の良い大工職人に家を建ててもらうのはもちろんですが、その前に設計段階から気密性に配慮する必要があります。そのため、次のような点を工夫すると効果的です。
●玄関ドアを片開きドアにする
玄関ドアは、使い勝手の良さから引き違い戸や片引戸を採用するケースが多いのですが、気密性能を考えると隙間が多くなってしまうため、あまりおすすめできません。気密性を高めるなら、片開きドアにするのがおすすめです。
●窓は少なめにする
ドアや窓は外気の出入りが激しいため、窓を多くつくってしまうと住宅の気密性が下がってしまいます。採光を目的に「窓をたくさんつくりたい」という方も多くいますが、気密性・断熱性という面では不利になってしまうので、バランスを考えて窓の設置をしましょう。気密性の高い樹脂サッシやトリプルガラスを採用するなど、性能の高いサッシを用いるのも効果的です。
●断熱をしっかり施工する
気密性を高めると言うことは、極力住宅の隙間をなくすことですよね。そのためには、内断熱材を隙間なく施工する高い施工精度が大切です。当社が標準的に採用している「吹付け断熱」は、硬質ウレタンを発泡させて壁と壁の間に隙間なく吹き付けるため、気密性能と断熱性能が高いのが特徴です。また、古新聞を原料とした「セルロースファイバー」を用いるのもおすすめです。
●連続気密層を設置する
床、壁、天井などの躯体に連続した気密層を設けることで、隙間からの空気の漏れを防ぐことができます。また、気密シートや気密テープなどを用いて丁寧に施工する必要があります。
●配管・配線処理を工夫する
電気配線や給排水管などの貫通部分は、気密性能の弱点となりやすい箇所です。専用の気密パッキンや気密テープを用いて、丁寧に処理することが重要です。
●職人の技術と知識の向上を図る
再設計と施工の両面で気密性能を高めるためには、設計者や施工者の知識と技術が不可欠です。そのため、幹工務店では常に社内だけでなく大工職人の皆さんとも最新の技術や材料に関する情報を共有し、相互の技術と知識の向上に努めています。
まとめ
高気密高断熱の家を実現するには、今回ご紹介した「気密性能(C値)」と「断熱性能(UA値)」のバランスが大事。どちらか一方が高くても快適とはいえないため、両方を向上させることで、より安心して暮らせる家づくりが叶います。
気密性能は、住宅の快適性や省エネ性だけでなく資産価値にも大きな影響を与える重要な要素です。気密測定を行うことで、客観的に性能を評価し、必要な改善を行うことができます。設計から施工、アフターメンテナンスに至るまで、気密性能を高めるための継続的な取り組みが求められます。
幹工務店では、高い気密性能を実現するための設計・施工ノウハウを蓄積し、技術力の高い大工職人が一棟一棟丁寧に家づくりを手掛けています。快適で省エネな住まいづくりを目指す方は、ぜひ一度ご相談ください。