住まいの花粉症対策と、症状を軽減するための家づくり

春の訪れを前に、早くも「鼻がなんだかムズムズする」と、
花粉の飛来を感じ取る方が増えてきました。
毎年訪れる憂鬱な花粉症シーズン。テレビや新聞では花粉飛散情報が流れ始め、
マスクや目薬など、外出時の対策を考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、花粉症の辛さは外出時だけではありません。
「マスクを外せる家の中なのに、むしろ症状が悪化する」
「せっかくの休日なのに、家でくしゃみや鼻水が止まらない」
そんな経験はありませんか?
最近は、日本人の2人に1人が花粉症だと言われ、
その多くの方が家の中でも症状に悩まされているそうです。
そこで今回は、住まいの花粉症対策と、
症状を軽減するための家づくりの秘訣についてご説明します。

目次
なぜ室内でも花粉症の症状が出るの?
花粉症の症状が室内で改善されない、あるいは悪化してしまう理由は主に4つあります。
1. 衣服や髪に付いた花粉を知らず知らずのうちに室内へ
冬から春にかけては空気が乾燥し、静電気が発生しやすい季節です。
外出時に着ていた服や髪の毛には、静電気によって大量の花粉が付着します。
これらの花粉を払うことなく室内に入ることで、
気づかないうちに花粉を家の中に持ち込んでしまうのです。
特に注意が必要なのは、マフラーやコートなどの防寒具です。
毛足の長い素材は花粉が付着しやすく、室内に入ってから花粉が舞い散る原因となります。
2. 換気によって室内に入ってくる花粉
「空気を入れ替えなければ」と、窓を開けたり換気扇を回したりすることで、
実は大量の花粉を室内に取り込んでしまっています。
環境省の調査によると、
日中1時間の換気でなんと約1000万個もの花粉が室内に入ってくるとされています。
特に注意したいのが換気の時間帯です。
一般的に花粉の飛散量が多いのは、午前8時から午後2時頃。
この時間帯に窓を開けての換気は、室内に大量の花粉を取り込むことになってしまいます。
3. 建物の隙間から侵入する花粉
住宅の窓やドア、外壁には目に見えない小さな隙間があります。
特に築年数が経過した住宅では、サッシの劣化やドアの建て付けの悪さによって、
これらの隙間が大きくなっていることも。
花粉はこうした隙間から少しずつ室内に入り込んでいきます。
4. 洗濯物に付着した花粉
花粉の季節に洗濯物を外に干すと、乾燥途中の洗濯物に花粉が付着してしまいます。
特に静電気の起きやすい化繊の衣類は、花粉が付着しやすい傾向にあります。
外干しした洗濯物を室内に取り込む際、
花粉を払おうとしても完全には落としきれません。
さらに、その洗濯物をタンスにしまうことで、
他の衣類にも花粉が付着してしまう可能性があります。

有効な解決策・「第一種換気システム」とは
こうした問題を解決する効果的な方法として、「第一種換気システム」があります。
このシステムは、一般的な換気設備と何が違うのでしょうか?
・従来の換気システムの課題
一般的な住宅で多く使われている「第三種換気」は、
天井などに設置した換気扇で室内の空気を排出し、
壁などの給気口から自然に外気を取り入れる仕組みです。
この方式では、フィルターなしで外気を直接室内に取り込むため、
花粉も一緒に入ってきてしまいます。
・第一種換気システムの特徴
これに対して第一種換気システムは、「給気」と「排気」の両方にファンを設置し、
空気の流れを完全にコントロールします。
特に以下の点で、花粉症対策に大きな効果を発揮します。
1. 高性能フィルターで花粉をキャッチ
外気を取り入れる際に、高性能フィルターを通すことで花粉やPM2.5などの有害物質を除去します。
スギ花粉の大きさが約30マイクロメートルなのに対し、
フィルターは0.3マイクロメートルという極めて小さな粒子まで除去可能です。
2. 計画的な換気で快適な室内環境を実現
給気と排気のバランスを制御することで、室内の空気を常に新鮮に保ちます。
天候や外部環境に左右されることなく、安定した換気が可能です。
3. 熱交換による省エネ効果
さらに、熱交換タイプの場合、排気する空気の熱を再利用することで、
冷暖房効率を高めることができます。
これにより、快適な室内環境を保ちながら、光熱費の削減も実現できます。

第一種換気システムで実現する快適な暮らし
【24時間365日、清浄な空気環境】
第一種換気システムは、季節を問わず一年中稼働します。
花粉の季節はもちろん、夏の湿気や冬の寒さにも対応。
PM2.5や黄砂が気になる日でも、フィルターを通した清浄な空気だけを室内に取り入れます。
【温度も湿度も快適に保つ】
熱交換機能付きの第一種換気システムでは、室内の温度を保ったまま換気ができます。
例えば、エアコンで冷やした室内の空気を排出する際、
その冷気を利用して外から入ってくる空気を冷やすことができるのです。
そのため、換気による室温の変化を最小限に抑えられ、
一年を通して快適な室内環境を実現。夏・冬の冷暖房費も大幅に削減できます。


新築時に考えたい、そのほかの花粉症対策
第一種換気システムの効果をより高めるために、
新築時には以下のような対策もあわせて検討することをおすすめします。
【玄関まわりの花粉対策】
花粉の室内持ち込みを防ぐため、玄関には十分な収納スペースを確保します。
設計上では、花粉症対策のために次のようなアイデアも有効です。
・広めの玄関ポーチ
玄関に入る前に、コート等の花粉を払うスペースを確保
・玄関脇のクローゼット
帰宅後に玄関ですぐ上着を脱いで収納し、室内に持ち込まない
・玄関用の掃除機置き場
帰宅時の衣服に付いた花粉をその場で除去

【室内干しのための工夫】
花粉の季節でも安心して洗濯物が干せるよう、
以下のような設備やスペースを確保します。
・ランドリールーム(室内干し専用スペース)
・パイプスペース(換気性能の高い室内干しスペース)
・ガス乾燥機「乾太くん」の導入(衣類を乾燥機で完全に乾燥)
・浴室乾燥機(天候や花粉に左右されない衣類乾燥)の導入

快適に暮らすための日常的な対策
第一種換気システムの導入に加えて、
日々の暮らしの中でできる対策もご紹介します。
【効果的な掃除で花粉を除去】
・朝一番の掃除がおすすめ
掃除は朝一番に行うのがおすすめ。
夜間に床に落ちた花粉を効率的に除去できます。
掃除機をかける前に、固く絞った雑巾で拭き掃除をすることで、
より効果的に花粉を取り除けます。
・掃除の順番を工夫
天井から床に向かって掃除することで、花粉を効率よく除去できます。
特に照明器具の周りや扇風機の羽は花粉が溜まりやすいので要注意です。
・電化製品も忘れずに
テレビやパソコン、スマートフォンなどの電化製品は静電気で花粉が付きやすいもの。
こまめな拭き掃除を心がけましょう。
【湿度管理で花粉を抑制】
・適切な湿度を保つ
室内の湿度を50%程度に保つことで、空気中の花粉を床に落とす効果があります。
湿度を適切に保つには、加湿器の使用がおすすめです。
・エアコンの活用
除湿機能付きエアコンを使用することで、快適な湿度環境を保てます。
フィルターの定期的な清掃も忘れずに行いましょう。

幹工務店の花粉症対策住宅
幹工務店では、お客様の快適な暮らしを第一に考え、次のような花粉症対策を行っています。
・高性能フィルター付き第一種換気システム
・気密性の高い建材・工法の採用
・玄関収納の充実
・室内干し設備の標準装備
花粉症対策は、毎日の暮らしの質に直結する大切な要素です。
新築をご検討の際は、ぜひ花粉症対策を視野に入れた計画をおすすめします。幹工務店では、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせて、
最適な花粉症対策プランをご提案させていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
また、当社のモデルハウスでは、実際に第一種換気システムを体感いただけます。
宿泊体験も受付中ですので、一晩泊まってその効果をじっくりとご検証ください。
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花粉症対策はもちろん、その他の住まいづくりについても
ご相談を承っておりますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。