マイホームを土地購入から検討する際には、土地選びで特に気をつけたいことがあります。それは、土地の「地盤」です。どんなに土地を安く購入できたとしても、その土地の地盤に問題がある場合は、地盤改良が必要となり、多額の費用がかかるケースもあります。
土地を一見しただけでは、地盤がどうなっているのかよくわかりません。そのため、土地選びの際に注意すべき点や、地盤改良についての知識をまとめました。
目次
■地盤調査とは
その土地がどのくらいの建物の重さに耐えられるのかを調べるために行う調査のことを地盤調査といいます。地盤調査なしで住宅を建てると、実は地盤が軟弱で、地盤沈下や家が傾くといった危険性もあります。そのリスクを回避するためには、地盤の状況を調査することが必要です。新しく土地を購入する場合だけでなく、建て替えの場合でも、地盤調査は行います。なぜなら建て替えの場合でも、地盤の状態がよいとは限らず、建てる場所によって、地盤の強度も多少なりとも変わるからです。
地盤調査では、主に次のような内容を調べます。
・地盤構成や強度・支持力の把握
・土質・土層の把握
・地下水位の把握
・液状化判定
土層や地下水位・液状化判定などは、地震に対する強さを示す指標となります。これらの項目を基に、土地の全体的な質を調べるのが地盤調査の目的です。
●地盤調査の種類と費用
地盤調査方法の種類には「SWS(スウエーデン式サウンディング)試験」「ボーリング調査」「表面波探査法」の3つがあります。そのうち、一般住宅の地盤調査で最も多く利用されているのが、SWS試験です。
SWS試験では、先端がスクリュー状になっている鉄の棒を地中に差し込んで、地盤の強度を確かめるという、地盤調査の中では最もシンプルな方法です。調査時間が2時間程度で済む点がメリットで、費用も一番安く、一般住宅であれば、大体5~10万円前後で調査を行えます。
●地盤調査は誰が・いつやるの?
住宅会社と提携している地盤改良業者が、地盤調査と改良をセットで行うのが一般的。お施主様ご自身でも地盤改良業者を指定できますが、地盤調査の結果によって、どの工法が適しているかどうかが変わるため、地盤改良の工法は指定できません。
土地購入前の地盤調査も可能ですが、売主と不動産会社がOKを出した場合のみです。土地購入の契約を締結するまでは売主の土地なので、地盤調査を行いたい場合は許可を得る必要があります。もしその時点でできないと言われてしまえば、地盤調査は実行できません。
■地盤改良とは
地盤調査の結果、地盤に問題がある場合には、地盤改良をします。地盤改良の方法には3種類あり、それぞれに特徴が異なります。
●地盤改良の種類
地盤改良には、次のような方法があります。
①表層改良工法
2mほど土を掘り、セメント系の固化材を入れて地盤を固める方法。地盤が強固な支持層が比較的浅い層にある場合に採用されます。建築面積約20坪ほどで約50万円が大まかな費用です。地盤が弱い層が2m以下の場合に用いられます。価格が安価ですが、この工法では軟弱な層が深い場合に対応できません。そのため、軟弱な層が深い場合には、柱状改良工法や鋼管杭工法が採用されます。
②柱状改良工法
柱状改良工法とは、何本ものコンクリートの柱を地面に打ち込んで地盤を強化する方法です。地中深くまで軟弱な地盤が続き、表層改良では改善が難しい場合に採用されます。直径60cm程の穴を開け、そこから、セメントと水を注入して土と混ぜて柱を作り、地盤を強化します。建築面積20坪ほどで100万円程度の費用がかかります。
③鋼管杭工法
柱状改良と同じ方法で、セメント状の柱ではなく鋼管で地盤を補強します。費用は柱状改良とほぼ変わりません。ただし、地中30mまで地盤補強が可能なため、軟弱な層が深い場合でも対応しやすくなります。工期を短縮したい場合に採用されやすく、狭小地でも工事が可能です。
■地盤がしっかりした土地選びのポイント
地盤の強さや地勢自体は、地盤調査以外に次のような方法で調べることもできます。
①ハザードマップ
ハザードマップとは、大雨による河川の反乱や浸水について予想したもので、市役所などで入手できます。また、インターネットで地盤調査マップを閲覧できるサイトや、国土交通省ハザードマップなども地盤や地域の特性を知るのに役立つでしょう。最終的には地盤調査を行うのが確実な方法ですが、こうした方法を複数活用し、いろいろな視点から土地について調べることをおすすめします。
②標高と立地
周辺の土地よりも標高が高い土地は地盤が強く、低い土地は水がたまりやすいため、地盤が弱いという特徴があります。また、田んぼや河川、池などが近くにある場合には、土地の状態が軟化している可能性があります。
③土地の成り立ち
地盤は一度掘り返すと弱くなる性質があります。そのため、自然に形成された土地と比べて、人工造成地には注意が必要です。また、田んぼや沼などを宅地として造成した場合には、通常よりも地盤が弱くなっているケースもあるため、古地図や過去の航空写真などで土地の成り立ちをチェックしましょう。古地図や旧地名を調べることで、昔どのような土地だったのか予測できます。また、地名は土地の性質を表すことが多いので、水や水鳥などに関連した地名は避けた方が無難です。
■幹工務店ができること
幹工務店では、これまで家を建てた際の地盤の情報を蓄積し、例えば候補地がその近辺であれば、周辺の地盤がどのような状況であるかを事前情報としてお伝えするようにしています。また、ハザードマップや地名などをもとに、アドバイスもさせていただきますので、土地探しの段階からぜひお気軽にご相談ください。
当社の施工事例もご覧下さい↓
https://www.miki1972.jp/case/